年明けに神社へお参りする「初詣」は多くの人に親しまれていますが、実はその前、大晦日の夜にもお参りする風習があることをご存じですか?
このお参りは「除夜詣(じょやもうで)」と呼ばれ、年末に感謝を捧げる大切な神事とされています。
本記事では、除夜詣の意味やご利益、由来、初詣との違いについて詳しく解説します。
混雑を避けたい方、神様に丁寧に感謝を伝えたい方におすすめの内容です。
除夜詣とは?大晦日の夜に行うお参りのこと
大晦日の夜に神社を訪れるお参りは、「除夜詣(じょやもうで)」と呼ばれています。
この言葉は、年末に行う「除夜の鐘」や「除日(じょじつ=年の終わりの日)」に由来しており、年越し前に神仏へ感謝を伝える行いです。
かつては「年籠り(としごもり)」といって、一家の主が大晦日から元日の朝まで神社に籠もり、一年の無事を感謝し、新年の平穏を祈願していました。
この風習が簡略化され、大晦日の「除夜詣」と元日の「元日詣」に分かれ、最終的に元日詣のみが“初詣”として定着していったのです。
除夜詣のご利益と3つのメリット
① 神様の“仕事始め”のタイミングにお参りできる
かつて日本では、太陽の力が回復し始める「冬至」を1年の始まりと考えていました。
そのため、大晦日〜元日にかけては“神様の仕事始め”にあたるとされ、特別な力が満ちているといわれています。
除夜詣は、そんな神聖なタイミングでのお参りになるため、強いご利益が期待できると考えられています。
② 清められた神社で静かにお参りできる
大晦日は多くの神社で大掃除を終えた直後の清らかな状態です。
神様の力は清浄な場所でより強く宿るとされているため、まさに最適な参拝タイミングです。
また、初詣に比べて人出も少なく、静かで落ち着いた環境で心を整えることができます。
③ 感謝の気持ちを伝えることで、より深いご加護を得られる
初詣は「お願い」をする場ですが、除夜詣は「感謝」を伝えるためのお参りです。
願いを叶えてほしいと神様にお願いする前に、まず一年間の無事に感謝を捧げるという行いは、とても敬虔で美しいものです。
感謝の気持ちを持って参拝することで、より深いご加護が得られるとされています。
除夜詣の服装マナーは?夜間の神社参拝で気をつけたいこと
除夜詣では、普段着でも問題はありませんが、神社という神聖な場所にふさわしい「清潔感のある服装」が望ましいとされています。
ジーンズやダウンコートでも構いませんが、派手すぎる服装や過度に露出のある格好は避けたほうが無難です。
また、夜間の神社は冷え込みが厳しく、足元も暗くなりがちです。滑りにくい靴、暖かいアウター、手袋などでしっかり防寒をしましょう。
灯りの少ない境内では、スマホのライトを頼るのではなく、足元に注意しながら落ち着いて行動するのがマナーです。
除夜詣の参拝時間は何時から何時まで?タイミングの目安を解説
除夜詣は大晦日の夜から元日の未明にかけて行われますが、「何時頃に行けばいいの?」と迷う方も多いでしょう。
神社によって開門時間は異なるものの、一般的には【12月31日22時頃〜1月1日2時頃】が参拝のピークです。
夜遅くなるほど混雑が落ち着き、静かな雰囲気でお参りできる傾向があります。
一方、寒さが厳しくなる時間帯でもあるため、万全の防寒対策をして出かけましょう。
お子様連れや高齢の方と一緒の場合は、無理のない時間に参拝するのがおすすめです。
初詣と除夜詣、どちらも行くのが理想的!
除夜詣と初詣は、どちらか一方だけでも良いのですが、両方を行うことでより充実した年末年始を過ごすことができます。
年末に感謝を、年始に願いを伝える——この流れは、自然で理にかなっています。
時間や体力に余裕がある方は、ぜひ両方のお参りをしてみてください。
【まとめ】大晦日の神社参拝「除夜詣」で一年を締めくくろう
大晦日に神社へお参りする「除夜詣」は、初詣とはまた違った意味とご利益がある貴重な風習です。
感謝の心を伝えることで、神様とのつながりがより強まり、新年のスタートもより良いものになるはず。
静かで清らかな神社で、一年の締めくくりと新しい年の準備をしてみてはいかがでしょうか?