あなたは、門松(かどまつ)に使うキャベツのような花の名前や種類を知っていますか?
キャベツのような花に見える植物の名前は、葉牡丹(はぼたん)といいます。 大きな花びらのように見えるものは「葉」の部分です。
葉牡丹は、花が少ない寒い冬の時期でもカラフルで丈夫なので、門松やお正月の寄せ植えや生け花に使われることが多いです。
お正月に家の入口の両脇に飾る門松は、冬でも青々とした「松」と「竹」が使われています。
その根元にカラフルな葉牡丹を飾ると、華やいだおめでたいお正月らしさが演出できます。
お正月に葉牡丹を門松に使う理由は、花の牡丹(ぼたん)に似ているからです。古くは牡丹を飾ってお正月を迎えていました。
しかし、現代では葉牡丹が手に入りやすく丈夫なので、一般に普及したといわれています。
確かに、本当の花の牡丹に比べれば、水を変えたりする手間が省けて便利な植物といえます。
門松に飾る葉牡丹は「花」ではなく「葉」の部分
前述したように、門松の根元に飾る時点での葉牡丹は、大輪の花のように見えますが、花ではなくて「葉」の部分です。
彩りがカラフルですが、本当の花ではないところが意外ですね。
葉牡丹はキャベツの種類の仲間
葉牡丹は学名をBrassica oleracea var. acephalaというアブラナ科の植物で、原産地はヨーロッパです。見た目はキャベツのように「葉」が同心円状に巻いているので、まるでお花のよう。
葉牡丹のルーツは、江戸時代にオランダ人が長崎へ持ち込んだキャベツです。
最初はオランダ菜と呼ばれていました。
その後、鑑賞用に改良を重ね続けてきた結果、現在のきれいな色の葉を持つ植物になったのです。
アントシアニンを含んでいるので、紫を中心として白、赤、ピンク、グリーンの色に微妙に変化するグラデーションがきれいですね。
キャベツの仲間には、葉牡丹の他にケールやブロッコリー、カリフラワーなどがあります。
どれも葉牡丹と同じアブラナ科アブラナ属で、身近な野菜だと考えると、おもしろいものですね。
アメリカの一部の人々は葉牡丹を食用にしている
葉牡丹を英語では以下のようにいいます。
・Flowering kale
・Decorative kale
アメリカの一部の健康意識が高い人々は、ブロッコリーよりも栄養価が高いからと葉牡丹を食用としているそうです。
葉牡丹の種類はたくさんあり、自宅で栽培できる
「種」を販売する大手の会社であるタキイ種苗のサイトを見ると、葉牡丹の種類は全部で49種類と数多くあります。
葉の色も、白やピンク、赤色、紫など。サイズや葉の形も多様。葉牡丹が日本に渡来してから、観賞用として人々に愛されてきた結果ですね。
葉牡丹を育てよう
葉牡丹は、ご自宅の花壇やプランターでも栽培できます。
夏に種をまけば、お正月を目標にして育てられますので、ワクワクしますね。おしゃれなお正月飾りに使う目的でもよいですが、冬の花壇を素敵に飾ってくれますよ。
お花が少なくて寂しい冬に、きれいで大きな葉牡丹は道行く人たちの目に留まり、癒されることでしょう。
葉牡丹の本当の花
本当の花は、菜の花のように小さな黄色の花びらです。
その花が4~5月に咲くことを知らない人も多いでしょう。本当の花びらよりは、カラフルで大きな葉が目立つ植物ですね。
葉牡丹の花言葉は縁起が良い
葉牡丹の花言葉は「利益」「祝福」「物事に動じない」などがあり、お正月の縁起かつぎにはぴったりの意味合いがあります。
門松に使う花の種類や名前は何?【まとめ】
いかがだったでしょうか?この記事では門松に使うキャベツに似た花に見える「葉牡丹」について詳しく解説しました。
お伝えしたポイントは以下のとおりです。
・葉牡丹は花ではなく「葉」の部分を鑑賞している
・葉牡丹の種類は約50種類で、自宅でも栽培できる
お正月に神様が目印にやって来る縁起の良い門松。松と竹の根元に大輪の花が咲いたような葉牡丹(はぼたん)。
実はキャベツの仲間と思うとほほ笑ましいかんじですね。花が少なくて寂しい寒い冬の時期に、華やかな彩りを添えてくれる葉牡丹はお正月ならでは。
やはりお正月はカラフルな色に囲まれて、おめでたい雰囲気を演出したいものですね。来客や初詣など何かと忙しいお正月のシーズンに、丈夫な葉牡丹はお手入れも簡単です。
ご自宅に花壇がある方は、ぜひ葉牡丹の栽培にチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。