お中元の季節、取引先から贈り物をいただいたときに、まず悩むのが「電話でどうお礼を伝えればいいのか」ということ。
とくに新入社員や若手社員にとっては、マナーを守りつつ気持ちを伝えるのは意外とハードルが高いものです。
この記事では、ビジネスシーンでの「お中元のお礼電話」の正しいかけ方や、失礼のない例文、話し方のコツなどをまとめました。
あわてず落ち着いて対応するために、ぜひご活用ください。
お中元のお礼の電話は早めにかけたい!

お中元のお礼として1番のマナーは封書やハガキでお礼状を送ること。
とくにビジネス間ではあたりまえのマナーとしておぼえておくべき。
電話でのお礼はあくまでも「取り急ぎ」の意味。
届いたことと、いただいたことへのとにかく先にお礼を申し上げるってことなんです。
相手先にお礼の電話をかけることもりっぱな仕事。
失礼のないようにそつなくこなしたいもの。
まずはおちついて相手先の電話番号、社名、部署、個人的な名前が書いてあればそのよみかたなどをチェック。
読みまちがいはとても失礼にあたるので。
そして、電話というのは相手の時間をいただくこと。忙しいであろう朝一番や昼休み、帰社時間は避けましょう。
一般的に電話を切るときはかけた方から切るのがマナー。
でも、取引先やビジネス関係ならひと呼吸おくくらいの余裕を持って。
まちがってもガチャン!なんて切らないでくださいね。
ゆっくり受話器を置く、または指でフックを押すことを心がけて。
お中元のお礼の電話をかける前に確認すべきこと|自分が担当でいい?
お中元のお礼を電話で伝えようとしたとき、「そもそも自分が電話をするのが適切か?」という点をまず確認しておくことが大切です。
たとえば、法人宛てに届いたお中元をたまたま自分が受け取ったとしても、それだけで自分が対応すべきとは限りません。
そのお中元が社長宛てなのか、部署宛てなのか、担当者宛てなのかを確認しましょう。
また、他の社員がすでにお礼の電話を済ませている可能性もあります。
「誰かがもう対応済みかもしれない」という前提で、まずは社内の上司や同僚に状況を確認するのが基本です。
ビジネスにおいて「誰が伝えるか」は相手にとっても非常に重要なポイントです。
勝手な判断で動いてしまうと、重複連絡や社内外での混乱につながることもあります。
特に若手社員の場合、「言われたから動く」のではなく、一度立ち止まって社内調整をする姿勢が、結果的に丁寧で誠実な対応につながります。
お中元のお礼の電話の前に流れをイメージしてみよう

次は会話の流れ。
- まずはこちらの会社名と自分の名前を名のる
- 担当の方と代わってもらう
- 担当の方にもう1度社名と名前を
- いただいたお中元へのお礼を言う
- 相手先への気づかいのことば
- 電話でのお礼であることをつたえる
新人・若手社員が不安になりがちな電話マナーQ&A
取引先へのお中元の電話でお礼!文例
「お世話になっております。
△△会社の◯◯と申します。
今お時間をいただいてよろしいでしょうか。
このたびは結構なお中元のお品をいただき、まことにありがとうございます。
こちらこそいつもお世話になっておりますのに、お心づかいに大変恐縮しております。
今後ともよろしくお願いいたします。
まだまだ暑い日が続きますが皆々さまご自愛くださいませ。
取り急ぎお礼の電話をさせていただきました。
お時間をいただき、ありがとうございました。
では、失礼いたします」
と、こんな感じでしょうか。
相手からの返しもあるのですべてがこのかぎりではありませんが。
相手からの返しとしては、こちらの感謝のことばに「つまらないものを、お口汚しの品で…。」
などへりくだった言いまわしをしてくることがほとんど。
そこは、「とんでもございません」や「ご丁寧にありがとうございます」できりぬければOK。
自分へのいただきものと脳に思わせることが大事

私もいただきものへのお礼の電話をすることがよくあります。
はじめの頃はうまいことを言おうとして失敗したこともしばしば。
緊張のあまり声が小さくなって何度も聞き返されたり。
でもはじめからうまくなんてなかなかできない。
こればっかりは慣れるしかないと思っています。
1番大事なことは心からありがたいと思うこと。
あなたも、なにかプレゼントされたらありがとうの気持ちを伝えますよね。
そう思えばいいんです。
自分にいただいたものと頭のスイッチをきりかえる。そう思うことで意外に堂々とできるものなんです。
上司に言われてイヤイヤだったり、うわべだけのことばって絶対バレちゃうもの。
ちょっとくらい丁寧語がおかしくなってもいいんです。
本当に感謝していることを心から伝えること。
それが1番大事。
あと1つ注意点。
ぜひ皆さまでお召し上がりくださいなどと言われたときに「すみません、ありがとうございます」なんてつい言ってしまいがち。
恐縮するとついすみませんって言ってしまうのは日本人の悪いくせ。
すみませんの代わりに「恐れ入ります」を使うようにしてみてください。
これだけでかなり社会人上級者になれるはず。
お中元のお礼は電話だけで良い?お礼状も必要?

お中元のお礼は電話だけで済ませても良いのか、迷う方も多いかもしれません。
結論から言えば、
- 「電話は取り急ぎのお礼」
- 「お礼状は正式なご挨拶」
という役割の違いがあります。
ビジネスシーンでは、電話で先にお礼を伝えた上で、後日あらためて封書やハガキでお礼状を送るのがマナーとされています。
とくに役職者宛や目上の方へのお中元には、お礼状を添えることで丁寧な印象を与えることができます。
ただし、取引先との距離感や社内の慣習によっては「電話だけ」で済ませるケースもあります。
迷った場合は、社内で過去の対応例を確認してみましょう。
形式だけにこだわるのではなく、「感謝の気持ちをきちんと伝える」ことが何よりも大切です。
電話+お礼状の組み合わせなら、間違いのない対応となるでしょう。
お中元を頂いたらお返しは必要?ビジネスではどうする?
お中元をいただいたら、「こちらもお返しをするべきなのかな?」と考えてしまいますよね。
ですが、ビジネスシーンでは基本的に「お返し」は不要とされています。
お中元はあくまで「日ごろの感謝の気持ち」を込めて贈るもので、見返りを求めるものではありません。
むしろ、お返しをしてしまうことで「今後は贈らなくてもよいのでは?」という逆の意味に受け取られてしまうこともあります。
ただし、相手が明らかに個人の立場で高価な品をくださった場合や、過去に自社側から一切お中元を贈っていない場合などは、状況に応じてお礼状にちょっとした手土産を添えるなど、柔軟に対応しても良いでしょう。
原則としては「丁寧なお礼の電話とお礼状」で十分。
むやみに物品でお返しをするよりも、真摯な気持ちを言葉にすることが、ビジネスでは最も誠実な対応となります。
お中元のお礼電話|ビジネスシーンでのマナーまとめ
電話でのお中元のお礼は、ビジネスにおける大切な信頼づくりの一歩。
言葉遣いやマナーに気を配るのはもちろんですが、「いただいたことへの感謝の気持ち」をきちんと伝えることが最も大切です。
事前に準備しておけば、緊張していてもきっと大丈夫。慣れないうちはメモや例文を活用しながら、少しずつ自分の言葉で伝えていきましょう。