お中元が届いたけれど、どうしても受け取りたくない——そんな状況になることもありますよね。
関係がこじれていたり、そもそも受け取れない事情がある場合、無理に受け取る必要はあるのでしょうか。
本記事では「お中元の受け取り拒否は可能か?」という疑問に答えながら、拒否の方法やマナー、相手に失礼にならない伝え方について分かりやすく解説します。
お中元を受け取り拒否することはできる?
受け取り拒否は可能
お中元が届いた際に、「どうしても受け取れない」と思う場面もあるかもしれません。
結論から言えば、宅配業者に対して受け取りを拒否することは可能です。
その場で「受け取りません」と伝えれば、配達員が持ち帰ってくれます。
また、お相手がお中元を直接持参して訪問してきた場合に「受け取り拒否」することはできます。
ただ、そのような場合は人間関係が壊滅的な状態であるでしょうから、お中元の問題というよりは人間関係の清算という段階の話になるでしょう。
現実的に多いパターンはもっとライトな「受け取り拒否」
ただし、明確に関係がこじれている場合はともかく、そこまで関係が悪化していない相手に対しても、断るべきかどうか悩ましいこともあります。
たとえば、毎年のように中元や歳暮を頂いていて、ありがたい反面、少し申し訳なさやプレッシャーを感じてしまう…といったケースもありますよね。
そうした“重くない理由”でお断りしたい場合は、感謝の気持ちを添えて今回は受け取ったうえで、今後はお気遣いなくと一言添える形が望ましいです。
事前にお気持ちを伝えておくのが理想
お中元やお歳暮は毎年、時期が決まっていますので、前もって気持ちを伝えておくのも良いですね。
突然の受け取り拒否は、相手に強い印象を与えてしまうため、できるだけ事前にハガキやお手紙で気持ちを伝えるのが理想です。
最近はビジネスマナーとしての「辞退のお知らせ」も一般的になってきています。
とはいえ、どうしても事前の連絡が間に合わず、受け取りを辞退せざるを得ない場合もあるでしょう。
その場合でも、後からでも構いませんので、電話やお手紙で必ず一報を入れましょう。
理由を丁寧に説明することで、相手の不信感を和らげることができます。
なお、自宅に届いてからその場で拒否するのは、最終手段として考える方が無難です。
相手との関係性を大切にしたい場合ほど、感情的にならずに丁寧な対応を心がけたいですね。
法人や取引先からのお中元を断る場合のマナー
お中元は個人間だけでなく、ビジネスの世界でも頻繁に贈られる習慣です。ですが、近年ではコンプライアンス意識の高まりから、「会社としてお中元を受け取らない方針」を掲げている企業も少なくありません。
こうした場合、単に受け取りを拒否するのではなく、相手に失礼にならない丁寧な対応が求められます。
まず、あらかじめ取引先に対して「当社では贈答品の受け取りを辞退させていただいております」といった文書やメールでの案内を出しておくことが望ましいです。
できれば毎年お中元・お歳暮の時期より少し前に通知しておくと、よりスマートです。
もし、事前に伝えきれずに贈り物が届いてしまった場合は、受け取らずに配送業者に持ち帰ってもらう方法もありますが、ビジネスの信頼関係を考えると、受け取ったうえでお礼状を添えて辞退の意向を伝える方法もあります。
たとえば、
「このたびはご丁寧なお心遣いを賜り、誠にありがとうございます。誠に恐縮ではございますが、弊社ではすべての贈答品を辞退させていただいております。今後とも変わらぬお付き合いをよろしくお願い申し上げます。」
というような文面で、丁寧に対応することで相手に不快感を与えず、会社としてのスタンスもきちんと示すことができます。
いずれにせよ、重要なのは「感謝の気持ちを忘れず、礼儀をもって辞退する」ことです。お中元は心遣いの一つとして受け止め、誠実に対応しましょう。
拒否したお中元の品物はどうなる?
その場で受け取り拒否をした品物はそのまま配達業者が持ち帰ります。
その後、品物を発注した店舗へ連絡がいき、発送主の元へ「受け取り拒否」の知らせがいくようです。
発送主の回答に応じて発送主の元に返品するか、配送業者での破棄をするかという選択になるようです。
この時に発送主に料金は発生するということはないようなのですが、配送業者によっては処分する際の費用などが生じる場合もあるようなので確認が必要ですね。
お中元を配送してくれる業者は主に郵便局や某ネコの配送業者などがあります。
事例が多い訳ではないのでいざ受け取り拒否をされたときは驚くかもしれませんが、慌てず「こういう手順があったな」と思い出して頂けたら嬉しいです。
お中元は受け取り拒否してもいいの?【まとめ】
お中元の受け取り拒否は可能ですが、関係性や事情に応じた対応が大切です。
感情的に断るのではなく、事前の一言や配慮ある断り方を心がけましょう。
大切なのは、不要な誤解やトラブルを避けること。
お中元をきっかけに人間関係を見直すことも一つの判断材料になるかもしれませんね。