お正月の定番料理であるお雑煮は、地域によって味や具材が大きく異なります。
特に「白味噌仕立て」のお雑煮は京都を中心に関西地方で親しまれており、関東のすまし仕立てとは対照的です。
本記事では、白味噌を使う地域やその背景、歴史的な理由、そして現代の食卓での広がりまで徹底解説します。
お雑煮で白味噌を使う地域は関西が多い?
白味噌を使ったお雑煮を作る地域を調べてみると、福井県と近畿地方、徳島県と香川県の8府県であるようです。
お雑煮は京都府から始まった料理でもともとの出汁は白味噌だったようです。
しかし関東地方の武家は味噌を「みそがつく」といって失敗して悪い評判が立つ意味とされ、味噌を使いたがらなかったようです。
そのため関東地方ではすまし、醤油仕立てのお雑煮が広がったようです。
歴史からひも解くと白味噌を使う地域が限られている理由がわかっておもしろいですね。
白味噌雑煮の広がりと地域ごとの特色
近畿地方で根付いた白味噌雑煮
京都を中心に、滋賀・大阪・兵庫・奈良・和歌山・福井・徳島・香川など、関西から四国・北陸にかけて白味噌仕立てのお雑煮が根付いています。
濃厚で甘い味わいが特徴で、正月料理として定着しました。
関東と東北はすまし仕立てが主流
関東や東北では白味噌を避け、澄まし仕立てが広がりました。
これは「味噌=みそがつく(失敗する)」ことを嫌った武家社会の文化が背景にあります。
地域の気候や食文化に合わせて、具材や味付けが発展していったのです。
現代の食卓で広がる白味噌雑煮
現代では京都の伝統的な白味噌雑煮だけでなく、各地でアレンジが広がっています。
京野菜の代わりに地元野菜を入れる家庭も増え、通販や百貨店の白味噌を使ったお雑煮セットも人気です。
家庭の味として定着しつつも、新しい形に進化しているのです。
京都のお雑煮で使う具材は多い!
昆布30g
水1L
頭芋1個
子芋4個
金時人参 半分
祝い大根2本
餅4個
鶏むね肉100g
鶯菜または水菜
花鰹 少々
これが主な材料のようです。
これで4人前の具材なので結構具沢山なイメージですね。
頭芋(かしらいも)というのは里芋の親芋で家の主人が食べるものとされています。
子芋は主人以外の人が食べる用の具材だったそうです。
子孫繁栄の意味が込められています。
祝い大根は地に根が張るようにという意味が込められています。
縁起ものなので具は丸い形にそろえるようです。
白味噌を加えるときは風味が逃げやすくなるので最後に弱火にするか、火をとめてからにしましょう。
金時人参や大根など京野菜を使っているのが京都らしいですね。
京都のお雑煮は鶏肉を入れる?
鶏肉を入れないで京野菜と餅だけを具材として作る地域もあるようです。
鶏肉をいれる地域では鶏肉は1口大にきって食べやすくするのが主流のようです。
鶏肉を使うと出汁がでていい味になるみたいです。
また、同じように鶏肉をお雑煮の出汁に使う地域でも北海道は鶏ガラ出汁をベースに使うようです。
同じように鶏肉をつかっているようでも地域差が出るのはおもしろいですね。
京都のお雑煮は甘い?
京都のお雑煮を初めて食べた人は甘い?と感じるようです。
それも一般のお味噌は塩分が10から12%程度に対して京都の白味噌はおよそ5から7%らしく、中には4%以下の白味噌で浮くる地域もあるようです。
そしてかなり濃いめに作るのが一般的のようです。
1Lの水に対して300から400gの白味噌を使うため濃厚で甘いお雑煮ができるようです。
また、すごく濃厚で甘くてドロドロしていることから味噌汁よりポタージュに近いようです。
お雑煮で白味噌を使う地域は?【まとめ】
京都のお雑煮は京野菜や京都の鶏肉などの具材を使うことで、京都の文化を大切にしているなと感じました。
まさに地産地消でつくっているお雑煮のようです。
見た目も白味噌と白いお餅のなかに京野菜の鮮やかな色が加わり、京都らしい上品なお雑煮だと感じました。
また、同じ関西の神戸に住んでいる私も白味噌を使ったお雑煮を食べますが、全然違っていておもしろいです。
京都の白味噌は一風変わっていて甘いようなのですごく興味があります。
京都に行った際は、いい白味噌を手に入れてお雑煮を作ってみたいです。